About Us

そこに行けば心を豊かにしてくれる空間、

お茶を飲んでいるとつい時間を忘れそうになって、

一人を楽しみたい人もおしゃべりを楽しみたい人も、みんなを楽しみたい人も、

それぞれがそれぞれに過ごすことのできるちょっとした隠れ家が、グラニーズです。

本と手作りと日々の暮らしを愛する女性のために!

2022年11月10日木曜日

2022 窪田弘子刺繍展 スタート



窪田弘子刺繍展がいよいよ始まりました。スレッド・ペインティング(Thread Painting) という技法の刺繍作品の個展です。絵具やパステルではなく刺繍糸で描いた写実画 のような刺繍作品の数々です。手で一針ずつ刺した犬や猫、花や虫がシャツやバッグを飾っています。

窪田弘子さんが数年かかって作り上げた猫シャツはほとんどが飼い主から頼まれて刺した注文仕事ですので既に持ち主がいらっしゃいます。今回の個展はそういう方たちからもう一度借り受けたシャツ作品、それに新作の小品を加えた展覧会ですので、これほど作品点数の多い個展は再度できるかどうかはわからないそうです。しかも奈良にお住いの窪田さんがこんな東北の地に足を運んで下さるなど、最初で最後ではないかと思います。(個展は20日までですが、最後の3日間、窪田さん在廊です)

       

       

今回は販売品コーナーもあります。展示されている小さな額装品のそれぞれの作品キットがありますので、挑戦が可能です。また自家製の可愛らしいレターセット、トランプなどもありますので、素敵な作品をお手元で楽しむことができます。


また、グラニーズが持っている以前の刺繍サンプラーや刺繍による人物作品なども一緒に展示しておりますので、どうぞ、刺繍による絵画をご堪能いただければと思います。


11月20日までです。ご来店をお待ちいたします。









2022年10月9日日曜日

窪田弘子 刺繍展

 秋になりました。ようやくしのぎやすい気候になり、少し楽しいことを考えたくなります。が、突然寒くなったり、体調を整えるのが一苦労です。

さて グラニーズ 今年最大のイベントです!!

11月半ば、あの猫刺繍の窪田弘子さんの作品展と、何と窪田さんが仙台にいらっしゃるのみならずワークショップまで開いて下さいます。(ただワークショップはまだ1ヶ月以上先なのに、窪田さんのブログで早々と予約して下さった方たちで、”満員お御礼”の状況です。


先日届いたDMです。猫ではなくトラ。今年って実は寅年です!


DMの個展案内です。


拡大しても見えにくいかも知れませんのでもう一度書きますね。


『窪田弘子 刺繍 [MY THREAD PAINTING] 』

 ~ 小さな個展と小さなお店と小さなワークショップ ~

 [仙台] Granny’s(グラニーズ)

期間: 11 月10日 11:00 ~ 17:30 * 最終日は16:00 まで

    (作家在廊は18, 19, 20日)

入場無料

* 状況により入場をお待ち頂く場合もありますのでご了承下さい。

* 作品や店内の展示品には決してお手を触れないで下さい。


なかなか外には出ない窪田弘子さん、web サイトの向こうで黙々と針と糸で刺繍の絵を描き続ける窪田さんの肉声にも触れられる、もしかしたら最初で最後の機会かも知れません。どうぞカレンダーに赤丸で、予定を書きいれておいて下さいね。

ところでこの会期中、グラニーズカフェは月曜~水曜の営業時間はそのまま、ランチは6人まで、前日までの予約の方のみとさせていただきます。ギャラリーの作品をご覧になるのに予約の必要はありませんが、入場をお待ち頂く場合があるかも知れないことは、DMのご案内のとおりです。

2022年8月30日火曜日

シャーリー・ヒューズの絵本

 突然の話題ですが、シャーリー・ヒューズというイギリスの絵本作家がいます(いました、と言うべきかも)。日本ではほとんど知られていないのですが、私は大好きで、昔、出版社に売り込んだことがあります。即、”今風でない”という理由で却下されました。数年前残念なことに亡くなられた灰島かりさんがやはり大ファンで、十数社に持ち込んだけれども一様に、”絵がかわいくない”という理由で全部断られたそうです。絵本や児童文学を何冊も翻訳なさっている方が持ち込んでもダメなのですから、やっぱり日本では受けない作風と思うしかありません。



 ですけれど私は熱心なファンですからせっせと絵本を買い、シャーリーさんはすでにそれなりのお歳でしたから時々ネットで検索して消息を追い、お元気だとホッとしていたのですが、今年の2月に亡くなられていることを知りました。で、何だかとても落ち込んで、でも誰かに絵本のことを紹介したくて、何冊か訳して、パソコンでコピペを駆使して実に安易な、私家版とも言えないホチキス止めの簡易本を作って、面白いと思ってくれそうな人に見せたりしました。面白いと思ってくれそうな人ですから当然、”面白い!”と言ってくれました。

          

内容からいったら、子供なら誰もが経験しそうなあたりまえの日常のできごとがほとんどです。宝物みたいに大事にポケットに入れていた石っころが、海水浴にいったら行方不明、悲しくて泣いてしまう、とか、お母さんが風邪で急きょ、近所のおうちに預けられるのですが何しろ”イヤイヤ期”真っ最中、行きたくないとさんざん反抗するのですが、行けば家とは違う楽しい時間が過ごせて、最後は迎えに来たお父さんに得意の決めゼリフ「(家には)行きたくない」と反抗するお話とか、お家作りが大好きな女の子や、雨の日に家の中で北極探検ごっこをするとか、出てくる子供たちやその遊びが本当に子供らしいのです。

         

         

          

どうしてイギリスでは何世代にもわたって”国民的”といっていいほどの人気作家が日本では一顧だにされないのか、本当に不思議です。それで考えたのですが、絵本に描かれるようなイギリスでは今もあたりまえの子供の生活が、日本の子供には殆どないからではないだろうかと思い至りました。近くに野原があって牛や羊がいて、草むらには虫がいて、それを追いかけて遊ぶという環境、大人はいざというときには助けてくれるけど大体は一歩さがって黙って見守っているだけとか、昔はそうでしたが今は違います。だから私などはいつまでも楽しかったと懐かしく思い出すのかもしれませんが、今の日本の子供たちの生活はもっと都会化され抽象化されたものになっているのでしょう。危険も多くて目が離せなくもなっていますし。

でもこんな風に全身で怒っている表情など、私はすごーくかわいいと思ってしまいます。灰島さんなどは三歳と三歳半を描き分けられる作家と激賞しています。

             

蛇足ですが、この位の怒りで、国葬反対!と言ってみたいものですね。


2022年7月31日日曜日

近況

 ご無沙汰しておりました。

時ならぬ暑さやコロナ不安、唖然とするような世の出来事、単純に年齢相応の疲れ等などでなかなか気力がわかず、ブログの更新をサボっておりました。一番大変なのは庭の草取りかも。

          


でもいろいろ言い訳は並べましたが、グラニーズの日常は変わらず回っております。カフェもキルトも読書会や定例の集まりも恙なく続いております。

先日は栃木から東北旅行にいらしたご家族がランチに立ち寄られ、帰りには『ラークライズ』とハートサシェを買って下さったり、横浜の方がミスターパートナー誌で『キャンドルフォード』のことを知り、秋には何人かで仙台を訪れ、店に立ち寄り表紙に使ったキルトも是非見たいとお電話を下さったり、元気の出ることも多々あるのですが、一方で訃報や気の沈むニュースも届きます。今年は久しぶりに益子の設楽洋子さんの作品展を予定していましたが5月に急逝され、それは今年一番のショックでした。

コロナの第7波が予想以上のスピードで進行中なのが気になりますが、即休業にするのではなく少し状況を静観しようと思っています。






2022年5月13日金曜日

ミスターパートナー6月号






 

昨年12月、『キャンドルフォード』の書評が東京新聞に載りました。書いて下さったのは井形慶子さん、エッセイスト・英国情報誌編集長という紹介されていましたが、その英国情報誌というのは mr partner という雑誌です。たまたま時期を合わせたかのようにその雑誌の12月号にはバッキンガムジェイル博物館のフローラ・トンプソンの資料室の紹介記事も掲載されていて、そんなこんなのご縁で、ミスターパートナー6月号の特集記事の一端として、イギリス19世紀末の農村に暮らす人々のティータイムについて、『ラークライズ』と『キャンドルフォード』をもとに書かせていただきました。途中で、井形さんと直接お電話でお話する機会もあり、カフェをやっていることなども言ってしまい、最初の予定より記事が膨らみました。

                   


                    


 

コロナでお店休業中はそんなことをしておりました。そして4月からはまだまだ短縮営業ですが、恐る恐るカフェを再開いたしました。キルトの教室や定期的な集まりなども以前に戻りつつあります。このまま状況が落ち着いてくれることを願ってやみません。

季節がすっかり変わっています。今年はさまざまな花が例年より早い気がします。


2022年3月22日火曜日

3月16日

 1週間前の3月16日深夜、宮城ではまた最大震度6強の地震がありました。自宅もグラニーズの場所も共に発表では5強でしたが、怖かったです。東日本大震災以降、とにかくミシッとすると、「あっ、地震」とまず恐怖に捕らわれます。昨年2月にも震度6の揺れがありました。毎年、宮城、福島、岩手が狙い打ちです。

コロナは高止まりのまま、それでもそろそろじっとしているのも我慢の限界かというところに地震、そして毎日ウクライナの悲惨な映像が届き、この世界はどうなるのかと不安いっぱいです。

昨日は穏やかで暖かく、もうすぐ春と少し気持ちが明るくなるお天気でしたが、

        

今日はうって変わってこんな景色になりました。

                      でも、グラニーズは4月からはコロナ対策はしながらですが、営業再開の予定です。

3月16日は実は誕生日でした。今年は大変なプレゼントでしたが、これは昔々、中学生か高校生のとき、古い友達が誕生日プレゼントにくれたマスコットです。半世紀以上、何度地震を経験したか知りませんが、今回は椅子から転げ落ちていましたが、いつも無事で微笑んでくれてるなんて、すごいですね。  

                   


2022年2月27日日曜日

3月もお休みします

 そろそろ2月も末ですが、コロナ感染者は高止まりの様子、重症者死亡者はむしろ増加傾向です。状況は一か月前と比べてもそれほど良くなっていません。やっぱりもう少し籠もっていないといけないのかなあと思います。ロシアがウクライナに侵攻、もうすぐまた3.11が巡ってくる、何だか気分は下降の一途です。春が来て、暖かになって、少しは明るい見通しが訪れて欲しいですね。グラニーズは3月もお休みします。

店では今年、何故かテーブルに飾ってある小さな鉢の白い花が、いろいろと可憐に咲きました。





2022年2月11日金曜日

巣ごもりは編み物で

 宮城県も仙台市も1月以来、コロナ感染は増加の一途で止まるところを知りません。そして知事も市長も”気をつけて下さい”と言う以外、何も手を打つ気はなさそうで、結局グラニーズは2月いっぱい”店を休む”という手を打ちました。個人的には何もすることがないわけではなく、片づけたり、読んでいない本を読んだり、頼まれた作文をしたり、帳簿を整理して暗澹となったりと退屈している暇はありません。片づけの一環としてひと山もふた山もある毛糸を少し減らすことにしました。でも最近は、増し目減らし目なしの四角い物か、バカの一つ覚えで編める物しか作りたくありません。しかし手を動かしていると確実に毛糸は減り、いつのまにかいろいろ出来上がっているものです。

古い「暮らしの手帖」に載っていたティーコゼー。今までいくつも編みました。

          

グラニースクエアのモチーフ編みは残り毛糸の整理に最適です。

          

                     

                             

それから輪にしてとにかく増減なしでレッグウォーマーを。黒糸で二つ目も編み中。

                    

これは昨年作ったもの。残り毛糸でステッチしてあります。











                    

2022年1月31日月曜日

コロナ禍再び

 年末から年頭にかけてコロナ禍は落ち着く兆しを見せ、ひょっとしたら前途は明るいのかと思っていたら、あれよあれよとオミクロン株の勢いは止まるところを知りません。首都圏や西の大都市圏だけでなく、この東北でも新規感染者ゼロを誇っていた秋田が200人超え、青森県に蔓延防止宣言が出るなどただならなくなって来ました。もちろん東北最大の都市仙台を擁する宮城県も例外なはずはなく、毎日感染者数は”過去最大”を更新し続けています。

ここグラニーズも1月に予定していた集まりや楽しみにしていた会食など、ことごとくキャンセルになりました。来店者はただ減少どころか、かろうじて開いていたキルトの教室にいらした方など数えるほどでした。何より残念なのは、12月から開いていた『中村哲医師活動記録」としてギャラリーで開いていた写真展を見て下さる方が本当に限られてしまったことです。12月にベシャワール会で中村哲医師と共にアフガニスタンの復興支援の農地事業・灌漑事業活動に従事された方の小さな講演会を持ちました。それに合わせて展示した写真を1月いっぱいお借りして、来店者に一人でも多く見ていただきたいと思ったのですが期待どおりにはゆきませんでした。一人で壁から写真を一枚ずつはずしていて、何ともやるせない気持ちになりました。講演のときに見せていただいたビデオの中で中村医師が、「平和は自然との共存の中にしかない」と語った言葉が心に残ります。

嫌な事件も相次ぎます。コロナ禍のもとで人の心は一層にささくれ立って、自然との共存、他人との共生がさらに傷ついて行っているように思います。でもまた機会はあるでしょう。もう少しひたすらに”忍”の一字で行くことにしましょう。

                   


2022年1月10日月曜日

今年の初仕事

2022年、店はまだ開けていませんが、少しずつ新しい年の準備を始めていこうと思います。皆さま、まずは今年もよろしくお願いいたします。

            

パソコンを置いてある小さな私の事務コーナーの壁に、カレンダーや予定を書き込んだボードや郵便などがごちゃごちゃ入れてあるウォールポケットなどと一緒に、こんな可愛らし版画のフレームがかけてあります。ほとんど注意を払わなくなっていたのですが、この年頭ふとしみじみ眺めました。版画の大きさは15x20センチ位ですが、コテージのこじんまり気持ちよく整えられた部屋で、若い女性がレースを編んでいます。

昔、『ラークライズ』の本を持って訪れたバッキンガムで、温かくもてなしてくれたパットさんという女性から、「ねえ、この額、『ラークライズ』にぴったりでしょ。フリーマーケットで見つけたの、6ポンドだったの。あなたにおみやげにあげるわ」と頂いたものです。

石炭が燃やされているあたたかな竈に、鉤から吊るされた鉄製のやかんの口から湯気があがっています。周りに火かき棒やブラシやふいごも見えます。オイルランプが灯され、狭い階段を上がった二階がもう一間、寝室なのでしょう。テーブルの下にはカゴの中に猫でしょうか、寝ています。そしてクィーニーお婆さんならぬ若い女性が、少しのお小遣いを稼ごうとボビンを動かしレースを編んでいます。きれいなドレスで、何だか新婚間もない頃のローラのお母さんはこんなだったかもという気がします。




昨年のクリスマス前、以前イギリスでお世話になった方たち何人かに、もちろん誰も日本語は読めないのですが、『キャンドルフォード』を送りました。そして訃報もありました。この版画をプレゼントしてくれたパット・ブルークさんも。ナイチンゲールがよく滞在したというお屋敷や、一方で戦後すぐ鉄道の駅を置くために造られたという、巨大モールが一つの街を形作っているかのような、超モダンで超人工的なミルトン・ケインズという町を案内して頂いたことを思い出しました。そのときイギリスという国は古いものをいつまでもそのまま持ち続けている一方で、とんでもなく斬新な発想や冒険もしてしまう国なのだなあ、と
その底の深さを感じたものです。コロナへの対策などもどこか発想が違う気がします。