About Us

そこに行けば心を豊かにしてくれる空間、

お茶を飲んでいるとつい時間を忘れそうになって、

一人を楽しみたい人もおしゃべりを楽しみたい人も、みんなを楽しみたい人も、

それぞれがそれぞれに過ごすことのできるちょっとした隠れ家が、グラニーズです。

本と手作りと日々の暮らしを愛する女性のために!

2022年1月31日月曜日

コロナ禍再び

 年末から年頭にかけてコロナ禍は落ち着く兆しを見せ、ひょっとしたら前途は明るいのかと思っていたら、あれよあれよとオミクロン株の勢いは止まるところを知りません。首都圏や西の大都市圏だけでなく、この東北でも新規感染者ゼロを誇っていた秋田が200人超え、青森県に蔓延防止宣言が出るなどただならなくなって来ました。もちろん東北最大の都市仙台を擁する宮城県も例外なはずはなく、毎日感染者数は”過去最大”を更新し続けています。

ここグラニーズも1月に予定していた集まりや楽しみにしていた会食など、ことごとくキャンセルになりました。来店者はただ減少どころか、かろうじて開いていたキルトの教室にいらした方など数えるほどでした。何より残念なのは、12月から開いていた『中村哲医師活動記録」としてギャラリーで開いていた写真展を見て下さる方が本当に限られてしまったことです。12月にベシャワール会で中村哲医師と共にアフガニスタンの復興支援の農地事業・灌漑事業活動に従事された方の小さな講演会を持ちました。それに合わせて展示した写真を1月いっぱいお借りして、来店者に一人でも多く見ていただきたいと思ったのですが期待どおりにはゆきませんでした。一人で壁から写真を一枚ずつはずしていて、何ともやるせない気持ちになりました。講演のときに見せていただいたビデオの中で中村医師が、「平和は自然との共存の中にしかない」と語った言葉が心に残ります。

嫌な事件も相次ぎます。コロナ禍のもとで人の心は一層にささくれ立って、自然との共存、他人との共生がさらに傷ついて行っているように思います。でもまた機会はあるでしょう。もう少しひたすらに”忍”の一字で行くことにしましょう。

                   


2022年1月10日月曜日

今年の初仕事

2022年、店はまだ開けていませんが、少しずつ新しい年の準備を始めていこうと思います。皆さま、まずは今年もよろしくお願いいたします。

            

パソコンを置いてある小さな私の事務コーナーの壁に、カレンダーや予定を書き込んだボードや郵便などがごちゃごちゃ入れてあるウォールポケットなどと一緒に、こんな可愛らし版画のフレームがかけてあります。ほとんど注意を払わなくなっていたのですが、この年頭ふとしみじみ眺めました。版画の大きさは15x20センチ位ですが、コテージのこじんまり気持ちよく整えられた部屋で、若い女性がレースを編んでいます。

昔、『ラークライズ』の本を持って訪れたバッキンガムで、温かくもてなしてくれたパットさんという女性から、「ねえ、この額、『ラークライズ』にぴったりでしょ。フリーマーケットで見つけたの、6ポンドだったの。あなたにおみやげにあげるわ」と頂いたものです。

石炭が燃やされているあたたかな竈に、鉤から吊るされた鉄製のやかんの口から湯気があがっています。周りに火かき棒やブラシやふいごも見えます。オイルランプが灯され、狭い階段を上がった二階がもう一間、寝室なのでしょう。テーブルの下にはカゴの中に猫でしょうか、寝ています。そしてクィーニーお婆さんならぬ若い女性が、少しのお小遣いを稼ごうとボビンを動かしレースを編んでいます。きれいなドレスで、何だか新婚間もない頃のローラのお母さんはこんなだったかもという気がします。




昨年のクリスマス前、以前イギリスでお世話になった方たち何人かに、もちろん誰も日本語は読めないのですが、『キャンドルフォード』を送りました。そして訃報もありました。この版画をプレゼントしてくれたパット・ブルークさんも。ナイチンゲールがよく滞在したというお屋敷や、一方で戦後すぐ鉄道の駅を置くために造られたという、巨大モールが一つの街を形作っているかのような、超モダンで超人工的なミルトン・ケインズという町を案内して頂いたことを思い出しました。そのときイギリスという国は古いものをいつまでもそのまま持ち続けている一方で、とんでもなく斬新な発想や冒険もしてしまう国なのだなあ、と
その底の深さを感じたものです。コロナへの対策などもどこか発想が違う気がします。