About Us

そこに行けば心を豊かにしてくれる空間、

お茶を飲んでいるとつい時間を忘れそうになって、

一人を楽しみたい人もおしゃべりを楽しみたい人も、みんなを楽しみたい人も、

それぞれがそれぞれに過ごすことのできるちょっとした隠れ家が、グラニーズです。

本と手作りと日々の暮らしを愛する女性のために!

2020年3月27日金曜日

2020年春

先週、弁造さんのエスキース展の最終日、奥山淳志さんのトークショーが行われました。
イベント自粛ムードの中、楽しみにしていたのにあきらめた方もいらっしゃいましたが、こじんまりと良い会であったと思います。

それにしてもコロナ禍はこれからが本番、まだまだ収まる気配はありません。オリンピック延期の発表の翌日に東京の感染者が急激に増加、首都封鎖もあり得るとの警告がありました。その前は習近平の来日が取り止めになったとたんに中国韓国からの入国禁止でしたし、政権の都合でそれなりに順序正しく敢えて後手後手を打ってる気がしますが、考えすぎでしょうか?

世の中の騒ぎをよそに春はもうすぐです。庭に出たり、本を読んだり手仕事をしたり、そんな楽しみ方でやり過ごしたいですね。




2020年3月11日水曜日

ジャン・ジオノ

ジャン・ジオノという作家がいます。ウィキペディアによれば 

ジャン・ジオノ(Jean Giono、1895年3月30日 - 1970年10月8日)は、フランスプロヴァンス出身の作家。
プロヴァンス地方マノスクに生まれる。16歳で銀行員として働き始める。1914年第一次世界大戦に出征。
1929年長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年逮捕される。
1953年の『木を植えた男』は、『リーダーズ・ダイジェスト』の「あなたが今まで会った中で最も忘れがたい人物は誰か」というアンケートへの回答だったが、編集部はその人物が実在しないことを確認して掲載しなかった(高畑訳著)。しかしテキストはいつしか広がり、ジオノの没後、20数か国語に翻訳され、フレデリック・バックによってアニメーション化された。
マノスクに生涯住み、死去。

とあります。
しかし今、ジオノのことを思い出したのは『木を植えた人』よりもまず、『プロヴァンスの恋』というかなり昔の、ジュリエット・ビノシェ主演の映画の原作者としてでした。映画の時代背景は19世紀半ば。イタリアの独立運動に奔走する若い騎兵大佐とフランスの王政復古を画策する夫とはぐれて領地に向かう侯爵夫人が、共にプロヴァンス地方を旅することになるのですが、二人が馬で駆け抜けて行く村や町ではコレラが猛威をふるっています。村は全滅して死体の山にカラスが群れています。誰かが水に毒を入れたに違いないと人々はパニックに陥り、旅人に襲いかかります。金だけが頼りと逃げ出す警察署長。(短いワンシーンの出演ですがジェラール・ドパルデューです。)軍による道の封鎖や隔離施設への強制移送。死と混乱の中を行く二人のプラトニックでロマンチックな恋。椿姫のようなドレスのビノシェが、燭台を持って階段を上がっていく途中、ふいによろめき転がり落ちます。口からは米のとぎ汁のような嘔吐物。

有効な治療法のない疫病の大流行がどれほど人を恐怖に陥れるか、時代も舞台も社会背景も違いますが、今のコロナウイルスの騒ぎを彷彿させる内容で、グラニーズも閑散としていますので、スタッフのFさんと一緒にビデオ鑑賞をしました。





その後、『木を植えた人』を読み直し、弁造さんも”木を植えた人”であったと改めて思ったことでした。

              

              

2020年3月3日火曜日

「弁造さんのエスキース展」始まる

一昨日、奥山淳志さんが隣の岩手県、雫石からいらして今回の展示の設営をして下さり、昨日から無事、「弁造さんのエスキース展」が始りました。コロナウイルスで落ち着かない時期にもろにあたってしまいましたが、来店した方たちはそれぞれに感銘深く壁に掛けられた絵に見入っておられます。
                     



絵や写真はグラニーズの空間にいつもそこにあったかのように溶け込んでいます。






『庭とエスキース』の本を既に読んでいらした方たちは弁造さんという人の人生に思いを馳せ想像力を搔きたてられて、絵に見入る時間も長くなるようです。自給自足の美しい庭を作る農作業に精魂傾けつつも、若い頃からの画家への夢を持ち続けて小さな丸太小屋で暮らしていた弁造さん。そんな弁造さんに惹かれ、季節ごとに訪ねては”生きること”の意味を誠実に考え続けていた若い写真家の奥山さん。二人の10年以上の交流が『庭とエスキース』という本になり、この展覧会の原動力になっています。

奥山さんのページでも仙台展のことが紹介されています。19日のトークショーが無事開けるよう祈っています。