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そこに行けば心を豊かにしてくれる空間、

お茶を飲んでいるとつい時間を忘れそうになって、

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それぞれがそれぞれに過ごすことのできるちょっとした隠れ家が、グラニーズです。

本と手作りと日々の暮らしを愛する女性のために!

2022年1月10日月曜日

今年の初仕事

2022年、店はまだ開けていませんが、少しずつ新しい年の準備を始めていこうと思います。皆さま、まずは今年もよろしくお願いいたします。

            

パソコンを置いてある小さな私の事務コーナーの壁に、カレンダーや予定を書き込んだボードや郵便などがごちゃごちゃ入れてあるウォールポケットなどと一緒に、こんな可愛らし版画のフレームがかけてあります。ほとんど注意を払わなくなっていたのですが、この年頭ふとしみじみ眺めました。版画の大きさは15x20センチ位ですが、コテージのこじんまり気持ちよく整えられた部屋で、若い女性がレースを編んでいます。

昔、『ラークライズ』の本を持って訪れたバッキンガムで、温かくもてなしてくれたパットさんという女性から、「ねえ、この額、『ラークライズ』にぴったりでしょ。フリーマーケットで見つけたの、6ポンドだったの。あなたにおみやげにあげるわ」と頂いたものです。

石炭が燃やされているあたたかな竈に、鉤から吊るされた鉄製のやかんの口から湯気があがっています。周りに火かき棒やブラシやふいごも見えます。オイルランプが灯され、狭い階段を上がった二階がもう一間、寝室なのでしょう。テーブルの下にはカゴの中に猫でしょうか、寝ています。そしてクィーニーお婆さんならぬ若い女性が、少しのお小遣いを稼ごうとボビンを動かしレースを編んでいます。きれいなドレスで、何だか新婚間もない頃のローラのお母さんはこんなだったかもという気がします。




昨年のクリスマス前、以前イギリスでお世話になった方たち何人かに、もちろん誰も日本語は読めないのですが、『キャンドルフォード』を送りました。そして訃報もありました。この版画をプレゼントしてくれたパット・ブルークさんも。ナイチンゲールがよく滞在したというお屋敷や、一方で戦後すぐ鉄道の駅を置くために造られたという、巨大モールが一つの街を形作っているかのような、超モダンで超人工的なミルトン・ケインズという町を案内して頂いたことを思い出しました。そのときイギリスという国は古いものをいつまでもそのまま持ち続けている一方で、とんでもなく斬新な発想や冒険もしてしまう国なのだなあ、と
その底の深さを感じたものです。コロナへの対策などもどこか発想が違う気がします。

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