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本と手作りと日々の暮らしを愛する女性のために!

2017年5月17日水曜日

5月の物語ランチ「悪魔のチキンパイ」

さて、今月は久しぶりの物語ランチです。ロンドンのベーカー街221番地Bの家主、ハドソン夫人が語る(実は現代の料理研究家ファニー・クラドックという女性ですが)という趣向で、住人の紳士二人、つまりシャーロック・ホームズとワトソン博士のために作った(に違いない)というお料理が紹介された本があります。(『シャーロック・ホームズ家の料理読本』 1981 晶文社) 今回はこの本を参考に。





ホームズは1854年1月6日ヨークシャー生まれ、ベーカー街に住み始めたのは27歳のとき、1903年49才でサセックスに隠居、1926年にはワトソンに代わり晩年に扱った事件について自ら執筆しています。まるで実際に存在したかのように語られ、年譜が作られ、人物分析が行われ、好きだったお料理まで紹介され、研究されているホームズですが、もちろん作者コナン・ドイルの創作による著者の分身です。時代はヴィクトリア朝とそれに続くエドワード朝の時代。大英帝国がもっとも繁栄し、第一次世界大戦で世界が大きく変わる頃でした。

さてイギリスの代表的料理であるパイとプディング、この本の語り部ハドソン夫人が紹介している山鴫や雉はちょっと手に入りませんので鶏の胸肉を使わせて頂きます。辛味のソースで味付けし、パイに焼きます。

辛いソースは悪魔のソースと呼ばれるとか。(残り肉をスパイスで蘇らせる意味だそうです)

「悪魔のチキンパイ」が今回のメインディッシュです。もちろんスタッフはすでに何度か試作試食済み、なかなかおいしいランチになりそうです。サラダとヒヨコマメのポタージュが付き、食後はヨーグルトにジャムとハーブティーのヘルシーメニューです。5月29日(月),30日(火),31日(水)の三日間、一日5食限定です。

ホームズが生きた時代、実際に起きた有名な事件に”切り裂きジャック”の事件があります。ホームズがその事件に関わらなかったはずはない、実は犯人と対決、突き止めていたにも関わらずある事情から事件の真相は闇に葬られてしまったのだということをご存知ですか?

ドイル以外の後世の人間が仮定のホームズ物語を作ってしまうほど、ホームズの人気は衰えません。先程の”切り裂きジャック”事件の真相に迫ったホームズですが、事件が迷宮入りになった訳は、あのホームズすらいかんともしがたい大きな国家のスキャンダル、真実を押しつぶす闇の力が背後にあったからなのです。興味のある方は映画『名探偵ホームズ/黒馬車の影』をどうぞ。権力は恐ろしい。








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